*4月某日
結婚の報告、あたしたちが家の性を名乗ることについての報告が遅かったことに対し、
一部の親戚より、きつーいお言葉を頂戴する。
自分たちの常識イコール世間一般の常識とはいかないし、
ましてや育った環境が違う人からすれば、常識はずれといわれても仕方なく。
結婚・出産等々を昔からのルールに従ってやっている人たちからすれば、
約2ヶ月でひととおり済まそうなんてのは、もってのほか、ということらしい。
さらに別居婚なんてありえない、らしい。
もう高齢出産の年齢なのに、子供はどうするんだ、とか。
離れていたら夫婦の絆はどうなるんだ、とか。
急に自分の選択に自信がなくなり、涙が止まらなくなった。
後から思えば、これはマリッジブルーと被害妄想の複合症状だったのだけど、
そんなことに気づくわけもなく、おめでたい気分になれないまま、
出来上がった指輪を取りに行く。
「これからずっとよろしく」
そう言ってくれた彼がとても大人に見えたと同時に、
自分の精神的未熟さを思い知った。
仕事をこなしていれば一人前って思ったりもしていたけど、
実際はそういうことでもないんだな。
自分が成長するためにも、結婚するということは必要な経験だったんだと思う。
*4月某日
入籍から数日たったところで、職場に報告。
なんとなくだけど、報告は指輪をつけてからがよかったのだ。
直属の上司→課長→部長→支店長に報告。
派遣という立場なので、あとは個人的に女性スタッフに報告して終わり。
あっさり終わるかと思いきや、まわりの反応が予想外にあたたかかった。
上司の家庭話まで出てきたり。
こういうときじゃないと、身の上話なんてしないから面白い。
今後の仕事の方向性についても、突っ込んで話をする。
都合がつく限りずっと続けてほしいと言われて、うれしくなる。
仕事一筋ではないし、ものすごく難しいことをしてるわけでもないけど、
会社というひとつの社会で必要とされるのは、とてもありがたいことだ。
*4月某日
だんなさんを除く、家族会議の日。
先日の某氏による口撃ですっかりダメージを受けたのだけど、
実は自分の知らないところで(だいぶ昔の話だけど)、両親も口撃を受けていたらしい。
たしかに自分たちにも常識外れな部分もあったけれど、
それを除いても、なにかしら文句を言わないと気がすまない人種もいるということだ。
今まで、あたしたちたち家族はどれだけ話し合いをしてきただろう。
今回ほど、じっくり話し合いをしたことはないんじゃないかと思うくらい話をした。
これまでが、希薄すぎただけではあるけど…
家族ってありがたいな、と今回も深く感じた。
ようやくほっとして、ごはんが美味しいと感じられた。